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フー・ファイターズ、初のアコースティック・ギグ詳細レポ

フー・ファイターズ、初のアコースティック・ギグ詳細レポ

2005年に、新作『イン・ユア・オナー』を発表したフー・ファイターズ。
ロックとアコースティックという2枚組の同作を引っさげ、
同年に出演したフジロックではメイン・ステージのトリとして登場。
大観衆を前に迫力のロックを響かせた。

セットリストには過去のヒットを多く含み、
夏フェスらしい轟音のロック・ショウとなった。

しかしこの11月にリリースされた彼らの最新作
『スキン・アンド・ボーンズ』は『イン・ユア・オナー』の
アコースティック・サイドをフィーチャーしたライヴ盤だ。
ライヴの模様は速報で伝えた通りだが、今回はセットリストや
ライヴ写真、MCの内容などをお伝えしたい。[大きな写真はこちら

開演から15分ほど過ぎた頃、デイヴが一人、黒いジャケットで入場。
「ハロー、ようこそ。調子はどうだい?」などと挨拶すると満員の
観衆から大歓声が。「実はツアーは8年ぶりなんだよ」とデイヴ。
そう、フェスやイベント出演などで何度か来日を果たしていたため、
ファンには実感は薄いだろうが、実は単独ツアーは8年ぶりなのだ。

デイヴ一人、アコギの弾き語りで『イン・ユア・オナー』の
アコースティック盤から「レイザー」を演奏開始。
長くゆったりしたリフが印象的だ。同曲の演奏が進む中、
楽器を持ったメンバーが一人、また一人とステージに現れ、
サポートのアコギが2人、キーボード、ドラム、ベース、
そしてヴァイオリンに加え、さらに曲によってシンバル、
カスタネット、鉄琴、トライアングルなどを兼任するパーカッションが
一人というかなりの大所帯バンドが登場した。
そして、演奏もアコギから、ダイナミックでオーガニックな
バンド・サウンドへと展開していく。

その後も『イン・ユア・オナー』のアコースティック・サイドを
フィーチャーしながらも、2ndアルバムからの
「マイ・ヒーロー」など、人気のロックチューンの
アコースティック・ヴァージョンも披露してくれた。

「ロックな曲でも最初はアコースティックで書いてアレンジしたりするんだ」と、
作曲法を紹介したあと、「ロックにも、アコースティックにもそれぞれ良さがあるけど、
この曲はいつもアコースティックで演奏したいぐらい好きなんだ」と
紹介して3rdアルバム『ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ』からの
「ネクスト・イヤー」を披露。やさしく、ゆったりとアレンジされた演奏は絶品であった。

メンバー紹介後のMCでデイヴは「ロック・ショウではあんまりしゃべらないんだけど、
“ワー!”なんて叫ぶばっかりでね。こうしてみんなに話しかけられる
ライヴはいいね」と上機嫌で饒舌に語りだした。

「昔、スクリームというバンドにいたんだ。ヨーロッパやアメリカでも
ツアーをしてたよ。そして、ロスに来たとき、ある朝目を覚ましたら、
ベース・プレイヤーがいなくなってたんだ。バンドは活動ができなくなって、
しばらくはシンガーとその姉妹と一緒にロスにいたんだけど、
友達の、友達のバンドがドラマーを募集しているというから、
彼らと電話で話してシアトルに行ったんだ。誰も知らない場所だったよ。
空港まで迎えに来てくれたんだけど(身振りで大男を表し)
こんなクリスと、(身振りで小男を表し)こんなカートが2人で
ポツンと待っていた。どうなることやらと思ったね」と、
ニルヴァーナに参加する馴れ初めを披露。

「最初はカートと2人で狭い部屋に住んでいた。ベッドは一つしかないから、
俺はいつもソファで寝てたんだけど、こんなに小さいソファでね
(肩をすくめ、背中を丸める仕草を見せる)。カートが部屋中で煙草を吸って
ポイ捨てするから、小さな部屋はデカい灰皿みたいになってた。
でもその部屋で、ギターを借りて初めてアコースティック・ソングを書いた。
それが俺のアコギへの初恋だったんだ」と
アコースティックへの目覚めも話してくれた。

その後も女性ストリングスのペトラがコーラスやヴォーカルを取るなど、
通常のフーファイのライヴではあり得ない演出もあり、
終盤では今年ソロ・デビューを果たしたドラムのテイラー・ホーキンスも
「コールド・デイ・イン・ザ・サン」を歌い上げた。

演奏面でもデイヴのアコギ弾き語りはもちろん、アコーディオン、
鉄琴、トライアングルまで飛び出した今回のライヴは、
『イン・ユア・オナー』のアコースティック・サイドが日本初披露されたという以上に、
フーファイ・ファンには感慨深いものだったに違いない。とくに、
バンド演奏なしで、デイヴがアコギ1本で歌い上げた、
アンコールの「ベスト・オブ・ユー」は圧巻の一言であった。

ラストのMCでは、「次のツアーは一度にロックもアコースティックも
楽しめるものにしたいんだ。長いツアーをやりたいんだ。
そうだな日本で6ヶ月くらい……うそうそ、6公演ぐらいかな。
来年には新作も出すよ」と、来年にも期待させてくれるファンへの
メッセージでライヴを締めくくった。

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2006年12月1日 東京厚生年金会館 SET LIST

RAZOR
OVER AND OUT
ON THE MEND
WALKING AFTER U
MARIGOLD
MY HERO
NEXT YEAR
ANOTHER ROUND
SEE YOU
FLOATY
COLD DAY
SKIN+BONES
BIG ME
TIMES LIKE THESE
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FOAF
BEST OF YOU
EVERLONG

【以上BARKSより】