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ジョジョの奇妙な冒険 共同プロジェクト

日本中を“波紋”に巻き込め――
「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド共同プロジェクト」記者発表会

バンダイナムコゲームスおよび映画「ジョジョの奇妙な冒険」製作委員会は、
独特の世界観で読者を魅了し続ける「ジョジョの奇妙な冒険」原作者、
荒木飛呂彦氏の執筆25周年を記念した特別プロジェクトについての記者発表会を、
東京港区「オリベホール」にて開催した。

1982年、「魔少年ビーティー」でデビューを飾った荒木氏は執筆25周年を迎える。
「ジョジョの奇妙な冒険」は、1987年に「週刊少年ジャンプ」に連載が開始され、
来年で20周年を迎える人気シリーズ。
その第1部となる「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」は、
19世紀イギリスを舞台に、名門ジョースター家の跡取である
「ジョナサン・ジョースター」(愛称“ジョジョ”)と、
養子である「ディオ・ブランドー」の対立は、やがて“波紋”と“石仮面”が絡んでいき、
2人の終わることのない因縁めいた奇妙な関係性が描かれていく。
現在は「第7部」にあたる「スティール・ボール・ラン」が
ウルトラジャンプ誌上で連載されている。
荒木氏曰くシリーズすべてに「人間賛歌」が貫かれている。

シリーズのコミックス累計販売部数が7000万部を越える人気作となった
「ジョジョの奇妙な冒険」の第1部が今年、プレイステーション 2でゲーム化され、
されに2007年には映画化される。
原作者の荒木氏自身も漫画執筆活動25周年を迎えるということもあり、
“荒木飛呂彦先生執筆25周年特別プロジェクト”の一環として
本日の発表会を迎えた。

記者発表会には、現在第7部が連載されている集英社 ウルトラジャンプ編集長の
伊東 健介氏のほか、ゲームと映画でディオ役を務める緑川 光氏や
映画監督の羽山淳一氏、さらにコンビ名を登場人物から拝借した
大の荒木ファンでもあるスピードワゴンの井戸田潤さん、小沢一敬さん、
そして原作者の荒木飛呂彦氏が登壇した。

現在、シリーズ第7部となる「スティール・ボール・ラン」が連載されている
ウルトラジャンプの編集長 伊東氏は、まずプロジェクトの概要について説明。
バンダイナムコゲームスから10月26日に発売を予定している
プレイステーション 2用ソフト「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」を皮切りに、
2007年3月には映画版の「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」の
公開を控えている。
そのほかにも「スティール・ボール・ラン」でも映画の公開に合わせる形で
大きなサプライズを企画しているとのこと。

また、ゲームと映画でディオ役を演じる声優の緑川光氏が登場し、
ゲーム版「ジョジョ」の特徴ともいえる“ポージィング”や
“波紋”システムについて説明。
ストーリーやキャラクターにも触れ、ジョジョやディオ含む登場人物たちで
プレイする魅力を語った。

世界初公開となる劇場版のダイジェストが上映されたあとは、
見どころはすべてと語る映画監督の羽山淳一氏が登場し、
映画版「ジョジョ」の魅力を紹介する。
今回の劇場版では、原作同様基本的に少年時代、青年時代、そしてラストの対決の
3つのパートに分かれている。
現在は、オープニングを仕上げているところだが、いい感じで映画っぽく仕上がっていると
自信をのぞかせる。だが、原作の内容を90分に納めることが難しく、
その取捨選択に苦心したとも。ジョジョの特徴的な擬音についても、
納得ができるものになっており、原作にあるようなキャラクターの流れるような
身体の線も意識して作画されていると、原作への愛を感じた。


●荒木氏と羽山氏、スピードワゴンのトークセッション

トークセッションでは原作者の荒木飛呂彦氏と映画監督の羽山淳一氏、
そしてお笑いコンビのスピードワゴン(井戸田潤さん、小沢一敬さん)が
ディープなジョジョ話に華を咲かせる。特に大の荒木作品ファンと公言する小沢さんは、
荒木氏に会えたことで舞い上がるほど。次々に作品のことについて質問が飛ぶ。

25周年を迎えることに質問されると荒木氏は「25年はあっという間で、
ジョジョも20年書いていると他人の作品みたい。キャラクターも忘れてしまったものも多く、
今ここで書いてくれと言われるのが一番困る」と、ファン代表の小沢さんを困らせる。

デビュー当時のことを振り返る。荒木氏が手塚賞を取ると、
その賞状をその場で丸めたという真偽のほどは分からない伝説についてや、
スピードワゴンのコンビ名の由来にもなったキャラクターに触れ、
その言葉使いが気に入ったことと、街のチンピラという設定に憧れたと小沢さんが熱く語る。

キャラクターやスタンドの名前をバンド名や曲名から引用することが多いジョジョでは、
好き嫌いではなく、そのキャラクターの能力や性格、生き様に則して命名しているとのこと。
とはいえ、ジョナサン・ジョースターのように、ネタを考えていたのがファミレスの
ジョナサンだったから命名したという勢いのものもあるとか。

荒木氏は“人間賛歌”をテーマに作品を描いているため、悪人だろうが善人だろうが、
同じ人間としての生き様を同等に扱いたいという思いがあるのだとか。
人間を肯定することで、悪人にも善人にも言い分があり、
そんな“人間”を描くことが漫画家として面白いのだと語る。

ジョジョが誕生したのも、肉体の追求に起因する。純粋に果たしてどんな“人間”が
一番強いのだろうかという興味からジョジョは生まれたのだそうだ。
肉体の追求は特徴的なポージングにも活かされている。
荒木作品では独特な擬音とともにありえないポーズをキャラクターに取らせる。
現実にはありえない構図を追求してのことだが、「ありえない構図のはずなのに、
最近マネしようとする人がいるんですよね」と荒木氏が笑う。

ジョジョは当初から3部構成で考えていたと荒木氏。
しかし、第3部「スターダストクルセイダース」の構想を練っているうちに、
潜んで待ちかまえるタイプのスタンドが余ってしまい、それを街に根付かせる
アイディアを思いつき第4部が誕生したと語る。
荒木氏も好きなキャラクターを東方仗助と答えるほど愛着があるようで、
その想いが伝わっていたのか小沢さんも第4部「ダイヤモンドは砕けない」が
お気に入りとのこと。
小沢さん曰く、一番エンターテインメントしているのが第4部だそうだ。
しかし、小沢さんが好きなキャラクターは第5部「黄金の風」の
ジョルノ・ジョバァーナだったりする。

ジョジョの世界では最後の敵が“時間”を操る能力を持つことが多い。
そのことに触れると、やはり荒木氏の中では時間を扱うキャラが一番強いと思っており、
主人公たちがどうやったら勝てるのか分からないから、必然的にそうなるのだと説明する。
事実、第4部の最後の敵となる吉良吉影戦では、荒木氏自身、書いていて吉良には
勝てないと思っていたと明かす。
荒木氏はシリーズの最初と終わりはある程度想定して書き始めるそうだが、
この時ばかりは主人公が負けてしまうと諦めかけたとか。
キャラクターやストーリーが作家の意思とは違う動きをすることもあるという例だ。
荒木氏が吉良を身近な存在として好きになってしまったことも原因とも。

羽山氏も劇場版を製作するにあたり何度も読み返し、考え抜き、
なくなく好きなキャラクターの出番を減らしたりなくしたりすることがつらかったと語る。
ファンの目線でファンが見たかったものを形にしたいと思っている羽山氏だが、
スピードワゴンが時間の制約上劇場版では登場しないことを明かし、
彼の登場を心待ちにしていたファンには心苦しいと謝罪する。
なによりも名前の由来とした井戸田さんと小沢さんが残念がる。
どうやら声優としての参加も狙っていた様子で、
気をつかった荒木氏がワンチェンをオススメする場面も。
なにかしらの役での参加を約束していたが、
果たしてなんの役になるのかは調整してからとのこと。

トークセッションは小沢さんがファンなだけにさまざまな話に飛ぶ。
現在連載中の第7部「スティール・ボール・ラン」で登場する“遺体”が想像どおりの
聖人のものであることや、その中でも好きなキャラクターはルーシーであること。
荒木氏が第4部の岸辺露伴の元なのかなど、ファンにとっても興味深い話が多かった。

最後にスピードワゴンの小沢さんが
「実は正直、ジョジョを読んですごく後悔している」とこぼす。
井戸田さんが慌てて「これから映画やゲームが出るのになんてこと言うんだ」と振ると
「だってこんな素敵なマンガ読んだら、もう他のマンガ読めなくなるぜ」と締める。

 「あまーい!」

http://plusd.itmedia.co.jp/games/


★そうか、スピードワゴンの名前の由来ってそうだったんだ。【こ】